プロジェクト統合マネジメントとは?
PMBOK(ピンボック)が定めている10の知識エリアの中で、統合マネジメントは他の9つの知識エリア全体を統合してマネジメントします。
プロジェクト統合マネジメントの統合とは、インテグレーション(Integration)のことです。
つまり、全体のコーディネーションをプロジェクトマネジメントの中心で行ったり取りまとめたりするプロセス群になります。
プロジェクトマネジメントチーム、PMOチームは、この統合マネジメントを中心にプロジェクトをマネジメントしていきます。
具体的には、 他の知識エリアのマネジメントがしっかりなされているかの進捗管理、課題管理、変更管理、ステータス・レポートも含めて、統合マネジメントを行っていきます。
プロジェクト統合マネジメントの実践の仕方とは?
PMBOKにおけるプロジェクト統合マネジメントでは、立ち上げから終結までのプロセスに従って実施していきます。
プロジェクト統合マネジメントの各プロセスでは、どのような作業をしていけばいいのか、詳しく見ていきましょう
①プロジェクトを立ち上げる
プロジェクトを立ち上げる際には、プロジェクト憲章を作成します。
(プロジェクトチャーターとも呼びます)
プロジェクト憲章とは、プロジェクトを公式に立ち上げるための文書のことです。
プロジェクトの内容が記述された文書で、キックオフで関係者の意思統一を図るためにも使用されています。
具体的には、プロジェクトの目的・測定可能な目標・前提条件と制約条件・マイルストーンスケジュール・予算・リスク・PMの名前と責任範囲を記載します。
文章量は、プロジェクトの規模によっても異なりますが、A4 1枚でおさまるものもあれば、10ページに渡るものまでさまざまです。
プロジェクトの計画を立てる
次にプロジェクトマネジメント計画書を作成します。
ここでは、プロジェクトの目標、およびそれを達成するための方法を記述していきます。プロジェクトマネジメント計画書は、プロジェクトマネジメントの意思決定の基準となっていくものになります。
この計画書に基づいて、プロジェクトの実行、監視とコントロール、終結、すべてのプロジェクトマネジメント活動が行われていきます。
プロジェクトを実行する
プロジェクト実行の指揮をとっていきます。
プロジェクトの目標を達成するために、もろもろのタスクや成果物作成などをマネジメントや変更管理を実施していきます。
この時に大事なのは臨機応変に対応するということです。
実行していく中で、もともとの予定とズレた時に調整していくための対応力が必要となります。
プロジェクトの管理・監視をする
そして、プロジェクト作業を管理し、監視しながら、コントロールをしていきます。
プロジェクトが計画通りに進んでいるかを監視し、必要に応じて対応策を行い、プロジェクト全体へ定期報告します。
必要に応じて統合変更管理を行い、プロジェクトの進行に滞りがないようにしていきましょう。
基本的には、プロジェクト計画で決められた手順でプロジェクトが進むように促し、変更要求を確認し、採用の諾否を意思決定していきますが、状況が変化することで前提が変化していくものなので、あまり当初計画に固執し過ぎず、「なぜ、何が起こっているのか」を把握し、「どうしたらよいか」について、現場の混乱を最小限に抑えつつ、修正をかけていくことも重要です。
プロジェクトを終わらせる
プロジェクトを終結させる際には、プロジェクトの成果物を確認し、完了条件を満たしているか判定し、しかるべき部署に引き渡します。
そしてプロジェクトを終結させ、最終報告を上げて終了となります。
まとめ
プロジェクト統合マネジメントは、プロジェクトの目的を果たすために、重要なものです。
各知識エリアはプロジェクト上で密接に関わり合っているため、バランスよく統合することが必要になります。
その際基準となるのは、顧客の求めるQCDのバランスです。
何か問題が起こった時には、その基準に立ち返って判断するよう、PMはプロジェクト全体をリードする必要があります。
達成すべきなのは、あくまで「目的」であって顧客の求める「到達点」です。「計画通り」進めることも重要ですが、目的を達成できているか?という観点を常に見失わないよう、気をつけてください。