プロジェクト調達マネジメント

プロジェクト調達マネジメントとは?

プロジェクト調達マネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、「必要なプロダクト、サービス、あるいは所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得するために必要なプロセスからなる」(PMBOK 第6版 P.24)とされています。

いわゆる調達管理のことです。実際に使われるケースとしては、協力会社要員開発ツールなどの調達(購入や契約)が多いです。

調達マネジメントの基礎となる3つの各プロセス群を見ていきましょう。

プロジェクト調達マネジメントの各プロセス

① 調達マネジメントの計画

マネジメント領域の他のプロセスのマネジメント方法や進め方を定義し、文書化し、プロジェクトマネジメント計画書補助計画書を作成していきます。
計画書を見ながら、外部調達するかどうかを検討し(内外製決定)、調達が必要な場合は、いつ何をどれだけ、どのように調達するのかを検討しましょう。
必要に応じて入札文書や発注先選定基準を作成し、納入候補を特定していきます。調達マネジメント計画書入札文書発注先選定基準を作成しておくと良いでしょう。

② 調達の実行

次に、納入候補から回答を得て、発注先選定基準をもとに納入者を選定し、契約を締結します。

③ 調達のコントロール

調達先との関係をマネジメントしていきます。
契約している内容どおりに責任を果たし、権利が保護されていることを確実に行いましょう。
最終的に問題が無ければ契約を終結します。

実践で活用していくには?

プロジェクト調達マネジメントを実践していくにあたり、そもそも調達管理の目的は、最適な納入者を選定することです。

調達管理では、計画段階で作成したRFPを候補先企業に配布するため説明会を実施します。そのあと提案を受けます。
この提案を受けるプロセスを納入者回答依頼プロセスと言います。そして提案書が集まったら、そこから最適な納入者を選定します。
これを納入者選定プロセスと言います。

プロジェクト調達マネジメントは、進捗管理やコストマネジメントなどと違い、問題管理ではなくリスク管理(つまり契約)が何よりも大事なのです。問題を可能な限り未然に防ぎ、問題が起きた時の対処方法を予め決めておくことが、契約締結のうえでの重要ポイントです。

契約を結ぶ際の留意点としては大きく三つです。
1. プロジェクト目的を達成できる選択であること
2. 客観的に見て納得できる評価になること
3. 責任の所在だけではなく、問題解決のプロセスを明確にすること

説明会と納入先選定

説明会と納入先の選定について、もう少し具体的に見ていきましょう。

計画段階で作成したRFQまたはRFP説明会を開催していきます。
説明会は、入札ベンダコントラクターなどさまざまな名称があります。
要件に合いそうな企業を複数選定し、説明会への参加を促し、説明会を開催します。
この時、気をつけなければならないのは、すべての企業に対して平等であること。同じ情報を伝えないと、後の選択の時に見誤るからです。

次に納入先の選定
説明会が終わり、各社からの質問に対応したら、各社から提案書が提出されます。
提案書を比較検討し、本プロジェクトに最適な納入者を決定していきます。
具体的には、評価方法契約交渉で決めていきます。
そのためにも事前に決めた評価項目、評価基準、重み付けをもとに評価し、客観性を持たせるように定量化する。

そのあと、リスク分析をして、対策の有効性を評価し、提案内容に虚偽や過大評価がないかどうかを見極めるために現地視察をするなどして最終的に判断していきましょう。
決定する際には、公正明大で誰が見ても納得できる評価をするのが理想ですが、少なくとも客観的に「なぜこの調達先を選定したのか」の判断基準を明確にすることが重要です。
その判断基準は、発注先が「何をどのくらい重視するのか」によって決まります。
うまくいかない時の責任を委託先へ押し付けるといった依存心を排除し、主体的に取り組む姿勢が何より重要であることを忘れないでください。

まとめ

プロジェクト調達マネジメントは、最適な納入者を選定することが目的なので、調達計画を具体で作成し、説明会、納入先選定を的確に行うことが大切になります。
客観的に見て納得できる判断基準を予め作れるようにしておきましょう。