プロジェクトコストマネジメント

プロジェクトコストマネジメントとは?

プロジェクトコストマネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、「プロジェクトを承認済みの予算内で完了するためのコストの計画、見積もり、予算化、資金調達、財源確保、マネジメント、およびコントロールを行うためのプロセスからなる」(PMBOK 第6版 P.24)とされています。
つまり、プロジェクトコストマネジメントとは、計画した予算を守るための一連の費用管理のことです。

PMとして納期を守ることはもちろんのこと、QCD(Quallity:品質・Cost:費用・Delivery:納期)のバランスを見ながら予算調整を行っていくことも重要な任務の一つです。
プロジェクトの工期を短縮させるために、人員や資金を計画当初の予定(クリティカルパス)より多く投入するクラッシングという方法でコストをかければ納期は挽回できますが、予算を超えてしまったら挽回することは難しくなります。
そのためにも、予算を超えるかもしれないという兆候をいかに察することができるかが大切になります。
まずは、プロジェクトコストマネジメントの基礎となる、各プロセス群を見ていきましょう。

プロジェクトコストマネジメントの各プロセス

プロジェクトコストマネジメントを実施するにあたり、下記プロセスで行っていくといいでしょう。

1.コストマネジメントの計画

プロジェクトマネジメント計画書の補助計画書として、コストマネジメント計画書を作成します。
プロジェクトスケジュールマネジメントでも作成したWBSに基づき、作業タスク毎に人員をどのタイミングで何人登用して、いくらかかるかを、見積もりを算出していきましょう。詳しくはスケジュールマネジメントの記事をご参照ください。

2.コストマネジメントの見積もり

スコープマネジメントのアウトプットであるスコープ・ベースライン(プロジェクト・スコープ記述書、WBSなど)に要員計画などを加味して、プロジェクト・コストを見積もります。
プロセスは作業タスクで発生する資源の見積もりプロセスと強い関連性を持ちます。コストの見積もりと、見積もりの根拠を探っていきましょう。
委託先から受領した見積もりをチェックする際には、きちんと見積もり根拠を明らかにしてもらい、不明確な部分リスクを感じる部分について、事前に協議し、問題が発生した際に定点観測ができるよう、課題管理しておきましょう。

3.予算の設定

コストの見積もりプロセスで策定された見積もりとスケジュールを使って、コスト・ベースラインを作成してきましょう。どの費用がいつ、どれくらい消費されるのかを時系列に具体的に配分していきます。
このコスト・ベースラインをもとに、いくつかマイルストーンとして「チェックポイント」を設け、コストのコントロールを行っていきます。

4.コストのコントロール

そして、コスト・ベースラインと実績報告を比較して差異をチェックし、問題が発生していれば、原因を追究して改善を図っていきます。
統合管理プロセスに、必要に応じて変更要求を出してコストに対する変更をコントロールしていきましょう。

実践で活用していくには?

ここまで、コストマネジメントの基礎となる各プロセス群を見てきました。
そもそも費用管理の目的は、費用を計画範囲(予算)内に収めることです。限られた予算の中で、いかにその場の変化に合わせて調整していくかが肝となります。予算超過をタイムリに検知するには、計画段階で作成したベースライン(時系列に配布された予算)と実際に要した費用を把握することです。
そのツールとして、工数予定実績表EVT(Earned Value Technique:アーンドバリュー技法)を用いることが多いです。その際に気をつける点は以下の5点です。

  1. 予算超過のケースを想定し、事前に手を打つ(予防的対策を行う)
  2. 予算超過の兆候を管理する
  3. 予算超過をできるだけ早く検知する
  4. 多くの対応策を持っておく
  5. 予め余力がどれくらいあるか、定点観測をしユーザーとのスコープ調整の根拠として提示できるようにする

予算執行表などの管理帳票で把握しておくのもいいでしょう。直接または進捗会議にて、報告を受けるようにすることも重要です。

まとめ

PMとして納期を守ることと同等に、予算内でコスト調整をすることが大事ですが、赤字プロジェクト量産のケースが生み出されるのは、そもそものあるべきプロセスで行えていないからです。
あるべきプロセスとは、QCDのバランスで決めていくということです。つまり、PMとして求められるのは、プロジェクト全体も細部も見渡せる存在として、QCDのバランスを見ながら、進捗管理で随時状況を把握し、予算超過になりそうな兆しにいち早く気づき対策を打つコストマネジメントができることなのです。
顧客は基本的に「最高のQCD」しか求めません。
しかし、そんなものは幻想です。
限られた資源で顧客要望をいかに実現するかが、PMに求められる手腕です。PMは顧客の夢を叶える「プロデューサー」であると同時に、究極の「現実主義者」でなくてはいけません。
そのためにも、QCDのバランスを常に把握し、顧客へ提言できる状態をつくることで、「言いなり」になることを防ぎ、プロジェクト全体をコントロールすることにつながることを忘れないでください。

プロジェクトマネジメントに関するご相談はICT Solutionへ気軽にご相談ください。