プロジェクト調達マネジメント

プロジェクト調達マネジメントとは?

プロジェクト調達マネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、「必要なプロダクト、サービス、あるいは所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得するために必要なプロセスからなる」(PMBOK 第6版 P.24)とされています。

いわゆる調達管理のことです。実際に使われるケースとしては、協力会社要員開発ツールなどの調達(購入や契約)が多いです。

調達マネジメントの基礎となる3つの各プロセス群を見ていきましょう。

プロジェクト調達マネジメントの各プロセス

① 調達マネジメントの計画

マネジメント領域の他のプロセスのマネジメント方法や進め方を定義し、文書化し、プロジェクトマネジメント計画書補助計画書を作成していきます。
計画書を見ながら、外部調達するかどうかを検討し(内外製決定)、調達が必要な場合は、いつ何をどれだけ、どのように調達するのかを検討しましょう。
必要に応じて入札文書や発注先選定基準を作成し、納入候補を特定していきます。調達マネジメント計画書入札文書発注先選定基準を作成しておくと良いでしょう。

② 調達の実行

次に、納入候補から回答を得て、発注先選定基準をもとに納入者を選定し、契約を締結します。

③ 調達のコントロール

調達先との関係をマネジメントしていきます。
契約している内容どおりに責任を果たし、権利が保護されていることを確実に行いましょう。
最終的に問題が無ければ契約を終結します。

実践で活用していくには?

プロジェクト調達マネジメントを実践していくにあたり、そもそも調達管理の目的は、最適な納入者を選定することです。

調達管理では、計画段階で作成したRFPを候補先企業に配布するため説明会を実施します。そのあと提案を受けます。
この提案を受けるプロセスを納入者回答依頼プロセスと言います。そして提案書が集まったら、そこから最適な納入者を選定します。
これを納入者選定プロセスと言います。

プロジェクト調達マネジメントは、進捗管理やコストマネジメントなどと違い、問題管理ではなくリスク管理(つまり契約)が何よりも大事なのです。問題を可能な限り未然に防ぎ、問題が起きた時の対処方法を予め決めておくことが、契約締結のうえでの重要ポイントです。

契約を結ぶ際の留意点としては大きく三つです。
1. プロジェクト目的を達成できる選択であること
2. 客観的に見て納得できる評価になること
3. 責任の所在だけではなく、問題解決のプロセスを明確にすること

説明会と納入先選定

説明会と納入先の選定について、もう少し具体的に見ていきましょう。

計画段階で作成したRFQまたはRFP説明会を開催していきます。
説明会は、入札ベンダコントラクターなどさまざまな名称があります。
要件に合いそうな企業を複数選定し、説明会への参加を促し、説明会を開催します。
この時、気をつけなければならないのは、すべての企業に対して平等であること。同じ情報を伝えないと、後の選択の時に見誤るからです。

次に納入先の選定
説明会が終わり、各社からの質問に対応したら、各社から提案書が提出されます。
提案書を比較検討し、本プロジェクトに最適な納入者を決定していきます。
具体的には、評価方法契約交渉で決めていきます。
そのためにも事前に決めた評価項目、評価基準、重み付けをもとに評価し、客観性を持たせるように定量化する。

そのあと、リスク分析をして、対策の有効性を評価し、提案内容に虚偽や過大評価がないかどうかを見極めるために現地視察をするなどして最終的に判断していきましょう。
決定する際には、公正明大で誰が見ても納得できる評価をするのが理想ですが、少なくとも客観的に「なぜこの調達先を選定したのか」の判断基準を明確にすることが重要です。
その判断基準は、発注先が「何をどのくらい重視するのか」によって決まります。
うまくいかない時の責任を委託先へ押し付けるといった依存心を排除し、主体的に取り組む姿勢が何より重要であることを忘れないでください。

まとめ

プロジェクト調達マネジメントは、最適な納入者を選定することが目的なので、調達計画を具体で作成し、説明会、納入先選定を的確に行うことが大切になります。
客観的に見て納得できる判断基準を予め作れるようにしておきましょう。

プロジェクトコストマネジメント

プロジェクトコストマネジメントとは?

プロジェクトコストマネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、「プロジェクトを承認済みの予算内で完了するためのコストの計画、見積もり、予算化、資金調達、財源確保、マネジメント、およびコントロールを行うためのプロセスからなる」(PMBOK 第6版 P.24)とされています。
つまり、プロジェクトコストマネジメントとは、計画した予算を守るための一連の費用管理のことです。

PMとして納期を守ることはもちろんのこと、QCD(Quallity:品質・Cost:費用・Delivery:納期)のバランスを見ながら予算調整を行っていくことも重要な任務の一つです。
プロジェクトの工期を短縮させるために、人員や資金を計画当初の予定(クリティカルパス)より多く投入するクラッシングという方法でコストをかければ納期は挽回できますが、予算を超えてしまったら挽回することは難しくなります。
そのためにも、予算を超えるかもしれないという兆候をいかに察することができるかが大切になります。
まずは、プロジェクトコストマネジメントの基礎となる、各プロセス群を見ていきましょう。

プロジェクトコストマネジメントの各プロセス

プロジェクトコストマネジメントを実施するにあたり、下記プロセスで行っていくといいでしょう。

1.コストマネジメントの計画

プロジェクトマネジメント計画書の補助計画書として、コストマネジメント計画書を作成します。
プロジェクトスケジュールマネジメントでも作成したWBSに基づき、作業タスク毎に人員をどのタイミングで何人登用して、いくらかかるかを、見積もりを算出していきましょう。詳しくはスケジュールマネジメントの記事をご参照ください。

2.コストマネジメントの見積もり

スコープマネジメントのアウトプットであるスコープ・ベースライン(プロジェクト・スコープ記述書、WBSなど)に要員計画などを加味して、プロジェクト・コストを見積もります。
プロセスは作業タスクで発生する資源の見積もりプロセスと強い関連性を持ちます。コストの見積もりと、見積もりの根拠を探っていきましょう。
委託先から受領した見積もりをチェックする際には、きちんと見積もり根拠を明らかにしてもらい、不明確な部分リスクを感じる部分について、事前に協議し、問題が発生した際に定点観測ができるよう、課題管理しておきましょう。

3.予算の設定

コストの見積もりプロセスで策定された見積もりとスケジュールを使って、コスト・ベースラインを作成してきましょう。どの費用がいつ、どれくらい消費されるのかを時系列に具体的に配分していきます。
このコスト・ベースラインをもとに、いくつかマイルストーンとして「チェックポイント」を設け、コストのコントロールを行っていきます。

4.コストのコントロール

そして、コスト・ベースラインと実績報告を比較して差異をチェックし、問題が発生していれば、原因を追究して改善を図っていきます。
統合管理プロセスに、必要に応じて変更要求を出してコストに対する変更をコントロールしていきましょう。

実践で活用していくには?

ここまで、コストマネジメントの基礎となる各プロセス群を見てきました。
そもそも費用管理の目的は、費用を計画範囲(予算)内に収めることです。限られた予算の中で、いかにその場の変化に合わせて調整していくかが肝となります。予算超過をタイムリに検知するには、計画段階で作成したベースライン(時系列に配布された予算)と実際に要した費用を把握することです。
そのツールとして、工数予定実績表EVT(Earned Value Technique:アーンドバリュー技法)を用いることが多いです。その際に気をつける点は以下の5点です。

  1. 予算超過のケースを想定し、事前に手を打つ(予防的対策を行う)
  2. 予算超過の兆候を管理する
  3. 予算超過をできるだけ早く検知する
  4. 多くの対応策を持っておく
  5. 予め余力がどれくらいあるか、定点観測をしユーザーとのスコープ調整の根拠として提示できるようにする

予算執行表などの管理帳票で把握しておくのもいいでしょう。直接または進捗会議にて、報告を受けるようにすることも重要です。

まとめ

PMとして納期を守ることと同等に、予算内でコスト調整をすることが大事ですが、赤字プロジェクト量産のケースが生み出されるのは、そもそものあるべきプロセスで行えていないからです。
あるべきプロセスとは、QCDのバランスで決めていくということです。つまり、PMとして求められるのは、プロジェクト全体も細部も見渡せる存在として、QCDのバランスを見ながら、進捗管理で随時状況を把握し、予算超過になりそうな兆しにいち早く気づき対策を打つコストマネジメントができることなのです。
顧客は基本的に「最高のQCD」しか求めません。
しかし、そんなものは幻想です。
限られた資源で顧客要望をいかに実現するかが、PMに求められる手腕です。PMは顧客の夢を叶える「プロデューサー」であると同時に、究極の「現実主義者」でなくてはいけません。
そのためにも、QCDのバランスを常に把握し、顧客へ提言できる状態をつくることで、「言いなり」になることを防ぎ、プロジェクト全体をコントロールすることにつながることを忘れないでください。

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プロジェクトスケジュールマネジメント

プロジェクトスケジュールマネジメントとは?

プロジェクトスケジュールマネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、「プロジェクトを所定の時期に完了するようにマネジメントする上で必要なプロセスからなる」(PMBOK 第6版 P.24)とされています。

一言でまとめると、プロジェクトスケジュールマネジメントとは、進捗管理のことです。

プロジェクトを進めるうえで、タスクがどのように進行し、何が滞っていて、どう対策を打っていくかは重要なプロセスになります。
PMに求められるのは、進捗状況が「どうなっているか」ではなく、「どう対策を打っていくか」をいかにリアルタイムで判断できるかです。
ここでは、進捗管理の基礎となる各プロセス群を見ていきましょう。

プロジェクトスケジュールマネジメントの各プロセス

プロジェクトスケジュールマネジメントを実行する上で、下記の6つのプロセスは最低限抑えておきましょう。

1.スケジュールマネジメントの計画

マネジメント領域の他のプロセスのマネジメント方法や進め方を定義し文書化し、プロジェクトマネジメント計画書の補助計画書を作成します。
プロジェクトマネジメント計画書とは、プロジェクトを管理するために、進捗状況やタスクをまとめた計画書のことです。その工程のひとつとして、スケジュールを管理するために、スケジュールマネジメント計画書へ落とし込んでいきましょう。
実業務では、プロジェクト計画書の一つの章として、スケジュールに対する考え方をまとめ、マスタスケジュールを作成し他のサブシステム含め共有・更新していくのが一般的です。

2.作業タスクの定義

WBSシートを使用し、作業タスクを細分化していきます。WBSとはWork Breakdown Structureの略で、作業分解図のことです。
プロジェクトを遂行するにあたり、どのフェーズで何のタスクが発生し、担当は誰で、いつまでが期限なのかを俯瞰してわかるようにまとめていきます。
その際に、スケジュール管理に適した作業単位に、タスクを細分化していきましょう。
作業タスクはスケジュールの管理単位になるだけではなく、見積もりの単位にもなります。
作業タスクリストを作成して、随時チェックしていくといいでしょう。

ここで重要なのは、MECE(ヌケモレなくダブりなく)です。作業全体を俯瞰して要素分解し、そこから個々のタスクを洗い出していきましょう。タスクのヌケモレは遅延リスクに直結します。
加えて、新たに発生したタスクは全て追記し常に更新することが、スケジュール遅延リスクを低減する王道です。メンバーには「WBSに記載していないタスクを実施していないか」都度確認し、遅延が発生している場合はどの部分が問題となっているか、リアルタイムに点検できる状態を保つよう心掛けましょう。

3.作業タスクの順序設定

各作業タスクの順序(依存関係)を考えましょう。
作業タスクの中には設計書ができないとプログラミングが開始できないように、先行するタスクが終了しないと開始できないといった依存関係があります。
作業の前後関係を明確にし、WBSに落とし込んで、作業タスクの優先順位とクリティカルパスを見極めましょう。
クリティカルパスとは、「重大な経路」と直訳されますが、要は「最長経路」のことです。
どんなに短縮してもそれ以上短縮できない作業経路は何か把握しておくことで、重要なマイルストーンまでに作業が完了するか、どのタスクが遅延すると遅延リスクが高まるか、などの判断基準となります。

4.作業タスクの所要期間の見積もり

各作業タスクを完了するために必要な期間を見積もります。プロジェクトの特徴に応じて、三点見積もり(最頻値、楽観値、悲観値の値を用いて推定する方法のこと)を使ったり、簡易的に類推見積もりを使ったりします。それにより、所要期間見積もり・見積もりの根拠を探っていきます。
重要なのは見積もりの方法ではなく、「見積もり根拠」です。基本的には十分なバッファを設けた「悲観的な数値」をもとに算定することで、遅延リスクを予め低減することができます。

5.スケジュールの作成

そして、いよいよ、これまでの作業に、組織要員計画作成の段階で考慮する資源平準化(山積み・山崩し)などを加味して、スケジュールを作成していきます。
以後、タイムマネジメントのベースラインになり、進捗が順調か遅れているかの判断材料になっていきます。ここまでの説明で、タスクと作業工数の洗い出しがこのベースラインに直結し、その精度が遅延リスクを左右することがお分かり頂けたと思います。

6.スケジュールのコントロール

最後にスケジュール・ベースラインと実績報告を比較して差異をチェックし、問題が発生していれば、原因を追求し改善を図っていきます。統合変更管理プロセスの一部として、スケジュールに対して発生した変更を実際に行っていきましょう。

実践で活用していくには?

ここまで、各プロセスを見ていきましたが、そもそも進捗管理の目的は、納期を守ることです。
限られた納期の中で、残っている業務をどう対処するかを管理するもので、これまでの業務を振り返るものではありません。そのため、下記3点に気をつけていきましょう。

  1. 進捗遅れの兆候をいち早く掴み、事前に手を打ち、リスクを低減する
  2. 可能な限り早く問題を検知し、迅速に対策を検討する
  3. 多くの対応策を持っておき、事後対策ができるようにする

進捗遅延の早期発見をするためには、進捗管理表、完了状況確認表、工程管理表などを使い、予定と実績の差から遅れを検知していきます。
また、定量的指標として、マスタスケジュール(ガントチャート、マイルストーンチャート)、各種ドキュメント(操作説明書、外部設計書など)などを活用しましょう。

また、進捗会議の場を設けて、予定と実績の差異を知ることはもちろん、チームの状態や雰囲気・モチベーションを把握することも大事。その場の状況に合わせて、変化に柔軟に対応していけるようにしましょう。

まとめ

スケジュールマネジメントと聞くと、忠実にスケジュールに沿っていくようにタスクを行っていけるようにしていくことだと思いがちですが、日々変化する状況に対して、いかに変化に強く、迅速かつ適切な判断ができるかがPMとして求められる素質になります。
業務全体を調整する、いわばプロデューサーのような役目を担うのがPMなのです。その意識を持って、実行していくといいでしょう。

日本人は失敗を嫌う傾向が強いですが、失敗を恐れ「管理のための管理」にならぬよう、「できない言い訳」のためではなく「どうやったらできるか」を考えることが、PMに重要な考え方ですので、常に「前向きに」チームをリードしていく「マインド」を持つことが大前提であることを忘れないでください。

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プロジェクトリスクマネジメント

プロジェクトリスクマネジメントとは?

プロジェクトがうまくいくか、いかないかは、リスクマネジメントができているかによっても変わってきます。プロジェクトにはさまざまなリスクが存在し、それらのリスクをどのように適切に処理できるかが問われます。
PMBOK(ピンボック)では、「プロジェクトに関するリスク・マネジメント計画、特定、分析、対応計画、対応処理の実行、およびリスクの監視を実施するプロセスからなる。」と定義されています。
つまり、プロジェクトリスクマネジメントとは、プロジェクトにおいて起こりうるリスクを、予め影響範囲の大小を見極めて、マネジメントをすることです。

ここで、リスクについて整理しておきましょう。
リスクには、純粋リスク投機的リスクと、大きく分けて二つあります。
まず、純粋リスクとは、コンピュータ障害など、純粋に損失のみが発生する可能性のことを指します。
そして投機的リスクとは、株式投機など利益と損失の両方の可能性のこと。
リスク・マネジメントでといえば、純粋リスクのみを想定しがちですが、PMBOKでは投機的リスクも含めて、リスクマネジメントするように明記されています。

リスクマネジメントの規格

リスクマネジメントには関連した国際規格および国内企画があります。

(1)ISO 31000:2009(国際規格)/JIS Q 3100:2010(国内規格)

リスクマネジメントに関する原則及び一般的な指針をまとめたもの。ISO31000の最新版は2018年版ですが、まだJIS規格には反映されていない(2018年本記事執筆時)

(2)I SO Guide73:2009(国際規格)/JIS Q 0073:2010(国内規格)

リスクマネジメントの用語を定義した規格

(3)IEC/ISO 31010:2012(国際規格)/JIS Q 31010:2012(国内規格)

リスクアセスメント技法に関する規格。略称IEC31010。dual logoの場合は、IEC/ISO31010

これらの規格は、これまで経営やプロジェクト管理、セキュリティなどさまざまな分野で独自の発展を続けてきたリスクマネジメントに対して、すべてのマネジメントに適用できるプロセス、そしてフレームワークを提供するものです。
つまり、リスクマネジメントに関する知識を身につけておけば、企業経営や情報セキュリティ分野でも知識を生かすことができます。

リスクマネジメントの定量的ツール

リスクマネジメントのやり方についてですが、詳細について語ると膨大な量になるため、概要だけお伝えします。
まず、「感度分析」「期待金額価値分析」「デシジョンツリー分析」など、定量的リスク分析で使用するツールについてです。

感度分析

感度分析とは、複数あるリスクのうち、どのリスクがプロジェクトに与える影響が最も大きいかを見る分析手法です。
どのリスクを重点的に管理するのか、優先順位をつける際に使われるものです。

期待金額価値分析

EMV=Expected Money Value分析のことで、確率論の「期待値」を使った分析手法が、期待金額価値分析と言います。
あるリスクに対して、起こりうる結果が複数ある場合に、それぞれの結果がもたらす期待と、それと同時にその結果になる確率をそれぞれ求めて、乗じて、合算した総和を求めるとできます。

デシジョンツリー分析

あるリスクに対して複数の対応策や選択肢があるときに、個々の選択肢のコスト、リスクの発生確率、発生した時の結果を算出します。
そして個々の選択肢のEMVも求めることができます。
このように作成したデシジョンツリー図を用いて行う分析手法が、デシジョンツリー分析です。

全体像を把握することがカギ

とはいえ、リスクマネジメントとは、具体的に動けるためにも、プロジェクトのプロセスとして全体像を把握しておくことがカギとなります。

プロジェクト計画時には、各工程における発生しうるリスクとその影響範囲について整理をし、考えられる対策を打てるようにしておくこと。
そしてプロジェクト実施時には、設定したリスクをしっかり監視し、発生したら計画通りに行うこと。

ただ、PMに求められる資質は、何よりも想定外のリスクが発生した場合でも、冷静に正しく柔軟な「変化に強い対応」が臨機応変にできるかどうかです。
そのための判断軸として、影響範囲の見極めが重要となります。リスクは予め対処すれば、問題が拡大せず影響範囲を最小限に留めることができます。
何かを取捨選択しなければならない場合には、この影響範囲という軸で判断するような視点を普段から持つようにしましょう。

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プロジェクト品質マネジメント

プロジェクト品質マネジメントとは?

プロジェクト品質マネジメントは、プロジェクトマネジメントの手法を体系立ててまとめたPMBOKの一領域で、プロジェクトのマネジメント成果物の両方を取り扱います。

プロジェクト品質マネジメントは、成果物の性質に関係なく、すべてのプロジェクトにおいて適用されてきます。
成果目標の最後が品質なので、品質は、納期遅延や予算超過につながる先行指標でもあります。そのため、品質確保をしっかりと行うことが、プロジェクトの成功率に直接つながっていきます。
PMBOK(ピンボック)では、プロジェクト品質マネジメントを「品質マネジメントの計画」、「品質のマネジメント」、「品質のコントロール」の3つのプロセスで行うとしていますが、ISO9001、10000といった国際標準化機構の定める規格やガイドラインとも整合性をもつためでもあります。

プロジェクト品質マネジメントの各プロセス

①品質マネジメントの計画

品質マネジメントの計画では、マネジメント領域の他のプロセスのマネジメント方法や進め方を定義し文書化し、プロジェクトマネジメント計画書の補助計画書を作成します。
つまり、品質マネジメントの計画では、品質方針の他スコープや成果物の記述書などのインプットから、品質マネジメント計画書や品質尺度へアウトプットとして作っていきます。

②品質のマネジメント

品質のマネジメントは計画を実行に移すプロセスのことです。「品質のコントロール」プロセスのデータや結果をもとに、プロジェクトの全体的な品質に関する状況をステークホルダーに示していきます。そのアウトプットとして行うのが、品質報告書の作成です。

③品質のコントロール

品質のコントロールでは、顧客の要求する品質実績報告(第三者的な視点からの監査やレビュー結果報告書やテスト結果報告書など)を比較して差異をチェックし、その差から、本来あるべき質を検証します。

実践で活用していくには?

品質マネジメントは、顧客の要求に一致する成果物を作成するために、プロセスの品質を高めるものです。
顧客ニーズに確実に見合うものにしていくためにも、目先のコストやスケジュールに捉われずに、満足いただける品質観点を忘れずに提供し続けることです。
QCDのコントロールという観点で言うと、納期とコストは予め定まっているため、「限られた期間と予算で顧客の求める品質をいかに実現するか」が、プロマネに求められる品質のコントロールです。
そのためには、先述の3つのプロセスを、計画から実行、監視・コントロールまで確実にアウトプットしていくことが大事になってきます。臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

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PMBOK(ピンボック)

PMBOKとは?

PMBOK(ピンボック)は、プロジェクトマネジメントの原理原則として、プロジェクトマネジメントの実務ノウハウをまとめた世界基準のことで、Project Management Body of Knowledgeを略した呼称です。

PMBOKは、アメリカに本部を置く団体PMI(Project Management Institute)が発行している世界基準で、「10の知識エリア」と「5のプロセス群」のマトリックスから構成されています。このようにプロジェクトマネジメントを初めて体系化したのが、PMBOKなのです。

1976年に初版が出され、以降、約4年に一度のペースで改訂され、現在は2017年に改訂された第6版が最新版となっています。
PMBOKが提唱される前までは、プロジェクトマネジメントという言葉はあっても、体系だって説明されていなかったため、言葉の内容について認識祖語が起きていました。
プロジェクトマネジメントを、スケジュール管理のことだと考える人もいれば、原価管理のことだと捉える人もいる状態でした。
そんな状態の中、体系だって、プロセス化されているため、PMBOKは世に広まっていきました。

「10の知識エリア」と「5のプロセス群」

PMBOKを理解するには、まず「10の知識エリア」と、「5のプロセス群」を理解する必要があります。

知識エリアは、プロジェクトの最終目的である
①Quality(品質管理)
②Cost(原価管理)
③Delivery(スケジュール管理)
に加えて、そこに至るまでのプロセスとして
④スコープ管理
⑤要員管理
⑥コミュニケーション管理
⑦リスク管理
⑧調達管理
⑨ステークホルダー管理
という6項目を、さらに全体をトータルに管理する
⑩統合管理
を含めた10項目で構成されています。

次に「5のプロセス群」は、プロジェクトの最初から最後までの流れを
①立ち上げ
②計画
③実行
④監視・管理
⑤終結
という5つのプロセスに分割したものです。知識エリアとのマトリクスにより、どのプロセスで何を作成・管理すべきかということがこれで定義できます。

それに加え、知識エリアとプロセスのマトリクスだけでなく、その構成には、「入力」、「ツールと実践技法」、「出力」という3つのパートが合わさってきます。
何をもとにして、どんなツールを使ってどんな風に、何を作成するか」という内容が定義されているのです。

現場での活かし方

しかし、PMBOKを知識として学んだだけでは、実践に活かすことはできません。フレームワークとしてPMBOKを現場で活かすにはどうしたらいいのか。それは、「変動要素をいかにコントロールするか」にかかっています。
ただし、リスクや問題はコントロールできるものでもないので、リカバリープラン解決方法を予め複数考えておくことが重要です。

問題は、「早く発見し、ゆっくり解決する」のが大原則です。
直前に問題が発覚しても、打ち手は限られてしまうため、リスクとなりうるものは、できる限り早く検知し、予め複数プランを立案することで、何か起きた時の備えができるのです。

このようにプロジェクトマネジメントをする際には、PMBOKをフレームワークとして使用しつつも、「変化に強いマネジメント」が求められます。

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プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

プロジェクトマネジメントオフィスとは

プロジェクトマネジメントオフィス(以下PMO)は、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムのこと。

PMIが発行しているPMBOKによると、PMOの責任とは、プロジェクトマネジメントを支援したり、または直接マネジメントしたり、広範囲にわたる」と記されています。
一般的には、プロジェクトマネジメント方式の標準化、プロジェクトマネジメントに関する研修など人材開発、プロジェクトマネジメント業務の支援、プロジェクト間のリソースやコストの各種調整、個別企業に適応したプロジェクト環境の整備などが、PMOの役割になります。

日本企業におけるPMO事情

では、日本におけるPMOはどうなっているのでしょうか?
中小企業庁の2012年2月の調査によると、日本における企業全体に占める中小企業・小規模事業者の割合は99.7%(うち小規模事業者は86.5%)と、数字で見ても日本の企業のほとんどが中小企業で成り立っていることがわかります。
PMOを設置したくても設置できない企業も多く、大企業でもPMOの具体的な導入方法がわからない会社もあるほど。

PMO導入のメリットとは

PMOを導入することで得られるメリットはたくさんあります。
たとえば、プロジェクト現場では、プロジェクトの手法・ベストプラクティスの共有や、品質・スケジュール管理の高度化、コストやリスク管理の高度化が見込まれます。

企業経営においては、プロジェクトマネジメントの進行に適切な環境整備や、プロジェクトマネジメントの手法・知識の標準化、プロジェクトマネジメント人財の安定的育成に。日本では、まだプロマネ教育が体系だって行われていないケースが多いですが、昨今では、短納期・短サイクル・同時並行が当たり前のように要求されており、より高度なPMが求められています。

中小企業であっても、高収益企業では、業務プロセス改善など適切なIT投資を実現しているというデータがあり、ITソリューションを企業戦略に取り込めた企業が実績を伸ばしていることがわかります。
IT投資とビジネス拡大との相関性があることも中小企業庁調査室の調べでわかっています。(2016年版 中小企業白書概要 平成28年4月 「IT導入を収益拡大に繋げるための取組」 中小企業庁調査室)

そのため、今後企業のIT投資を見据えていく上でも、PMOを導入することで、プロジェクトコントロールできる人材を育成は必要になってきます。
組織においてPMOは、個別のプロジェクト支援に留まらず、組織全体のプロジェクトマネジメント力の向上が期待できます。
組織PMOのメンバーは、なぜ自組織でPMOが導入されたかの背景を理解した上で取り組むことで、より業務の高度化が測れるようになるので、意識すると良いでしょう。

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プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャー(以下PM)とは、QCD(Quality<品質>、Cost<コスト>、Delivery<納期>)をコントロールする仕事のこと。

まず、PMの役割について。
PMは、プロジェクトが現在どうなっているのかを調べるのではなく、どうしたらいいかを考え、全体のバランスを調整する、いわばプローデューサーなのです。管理をする人を勘違いされることも多いですが、日々変化していくプロジェクトの状況を見て、冷静に的確な判断ができる、変化に強い人材こそがPMです。

PMが増えない理由とは

ただ業界として、確固たる成功モデルが確立されておらず、標準化されていないことから、PMの力量によって、プロジェクトの成否が判断されてしまいがちです。

経済産業省によると2010年代の後半から2020年にかけて、産業界では大型のIT関連投資が続くことや、昨今の情報セキュリティーなどに対するニーズの増大により、IT人材の不足が改めて課題となっており、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)などの新しい技術やサービスの登場により、今後さらなるITの高度化・多様化が進展することが予想されるため、中長期的にもITに対する需要は引き続き増加する可能性が高いといわれています。
その一方で、人材という「量」が足りていないことに加え、ユーザー企業もITベンダーも、プロジェクトマネジメント力に不足感を抱いているという「質」の問題があります。

量も質も足りていないと、PMになりたいと思う人も少なくなり、教えられるPM自体の数も総体的に減ってしまいます。

PMの成功の要は”傾聴力”にあり

ではPMは、報われない仕事なのでは?
と感じる方もいるかもしれませんが、大きな誤解です。

繰り返しますが、PMとは、QCDをコントロールする仕事です。
QCDさえコントロールできれば、結果が出て、PMは報われるはずです。
つまり、プロジェクトにおける、あらゆるリスクを想定し、リスク対策の計画を立て、想定外のことが起きた場合でも的確にスピーディーに対応し、納期遅延やバグが発生しないよう対処できればいいのです。

そのためには、顧客が意図していることをしっかりヒアリングできる力がPMには必要です。
相手の意図を理解し、気持ちに共感し、どうすればプロジェクトがより良い方向にいくかを一緒に考えられる、傾聴力があれば、コミュニケーションの中でも主導権を握ることができるようになります。
傾聴力は才能ではなく、多少のトレーニングは必要にはなりますが、PMをやる上では欠かせません。高い傾聴力があると、組織化してプロジェクトを遂行する際に、メンバーを巻き込んで取り組む際にも有効になります。

PMは決して孤独な仕事ではなく、プロジェクトの目的とゴールを指し示し、運営体制と役割分断をメンバーと共有し、プロジェクトの運営ルールを企てていくため、メンバーとの協働がカギとなります。

これらのポイントを押さえておけば、PM業務を行うことができます。採用側は、PMはこれらを重点的に抑えた特別教育が必要になるため、PMとしての能力はそのまま管理職としての能力に直結すると考えて、取り組むことをオススメします。

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プロジェクトマネジメント

そもそもプロジェクトマネジメントとは?

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトを遂行するために計画を立て、プロジェクトの目的を達成するためにコントロールをすることです。
プロジェクトが成功するかどうかは、道筋が明確で何をいつすれば良いかダンドリを把握しているかどうかにかかっています。
QCD(品質・コスト・納期)だけでなく、スコープやリスク、ステークホルダーなど、様々な視点が必要になってきます。

そのプロジェクトマネジメントの原理原則として、プロジェクトマネジメントの実務ノウハウをまとめた世界基準であるPMOK(Project Management Body of Knowledge)があります。
PMOKとは、アメリカに本部を置く団体PMI(Project Management Institute)が発行している世界基準で、「10の知識エリア」と「5のプロセス群」のマトリックスから構成されています。
その中に「47のプロセス」があり、現在のIT業界におけるプロジェクトマネジメント基準の中では、この右に出るものはありません。

独自性が求められる”今”だからこそプロジェクトマネジメントが必要に

では、なぜ今プロジェクトマネジメントが必要とされているのでしょうか。
1990年頃まではプロジェクトというと海外のプロジェクトや大規模な部門横断型の業務をイメージされていましたが、2000年頃から急速にグローバル化の進展に伴い、情報化社会におけるスピード性・独自性が求められるようになり、企業や組織のミッション達成のための様々な領域において規模に関わらずプロジェクトという言葉が日常的に使われるようになりました。

このように昨今のビジネスにおける環境変化から、「今までにしたことがない」かつ「ルーチンワークではない」プロジェクトが日常業務で多く取り組まれるようになり、プロジェクトをいかに筋道よく立て、効果最大化を測れるかが重視されるようになりました。
プロジェクトとは、始まりがあり、終わりがある計画のことなので、計画までの道筋が立てられていないと、予期せぬ方向に進んでしまい、脱線してしまい、期限に間に合わないという自体も発生します。
そのため、プロジェクトのゴールに向けて、仕立てる力が必要になってきます。舵取りをする専門家のことをPM(プロジェクトマネージャー)といいます。

誤解されがちなプロジェクトマネジメント、使わない手はない

高い重要性が感じられるプロジェクトマネジメントですが、世の中にあまり浸透されていないのは、技術者の方がスキルアップの一つとしてPMを身につけることが多いこともあり、IT技術がないとできないという誤解があるのも一因です。

ただ、プロジェクトマネジメントを行う際、技術を必要としません。
47のプロセスに則って構造的にQCDにも意識を向けて、プロジェクトを成功させていく道筋を立てていくことは、言葉だけ聞くと難しく思えますが、実はコツを掴んでしまえば、難しいことではありません。
プロジェクトマネジメントは組織が掲げる目標を構造的に効率よく達成するための必須の業務遂行方法にもなるため、現在様々な業界・業種で採用されているほどです。

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